the turn of the Seasons [mind]
季節が変われば、癒える傷もあるでしょう。
時が過ぎれば、消える悲しみもあるでしょう。
そうやって笑ったり、泣いたり
やって来る明日に、増える傷もあるでしょう。
些細なことで、未来が見えなくなることもあるでしょう。
そうやって、弱くなったり、落ち込んだり
忘れた昨日に、笑い合える傷跡もあるでしょう。
小さな悦びで、満たされる夜もあるでしょう。
そうやって、優しい気持ちになったり
遠い季節の中に、大切な風景もあるでしょう。
星を見上げただけで、涙が流れることもあるでしょう。
そうやって、人は一日を生きてく。
そういうのって、人間だよね。
だから、そんな人間が好きでした。
不完全な空白 [mind]
緩やかな鎖に繋がれて
見渡せる世界の領域こそが
世界の全てだった。
けれど、そんな世界の色彩は
目眩がするほど明るくなって
空白だけが愛しさを持つようになった。
空白だけが優しさを持つようになった。
様々に色づいた色彩を
また空白へと戻す作業。
完全には不可能だった・・。
最後に弱音を吐くのなら
そうだった。
僕はただ、孤独なだけだった。
この世にある何にも
共鳴し合うことが出来なかった。
永遠の中にある、ひと欠片の時間も
共有し合うことが出来なかった。
いろんな迷いが頭を駆け巡ってる。
でも
そういう孤独も
そういう想いも
みんな、持っていくよ。
子守唄 [mind]
眠りつく悲しみの傍らで
優しい花がいくつか咲いたら
それは誰かにあげられるような
綺麗な花になれるだろうか。
汚さばかりを拾い集めて
愛と呼べるようなものは持っていない。
ポケットのゴミ屑に紛れたような
小さな優しさで、ごめんね。
いろんな傷や痛みを
想い続けた長い夜の終わりに
見上げた夜明けは
いつもより少しだけど、穏やかだったよ。
木漏れ日に照らされているような
ゆっくりと流れる時間軸で
子守唄だけが優しく響く。
眠りつく悲しみの傍らで
優しい花がいくつか咲いたら
それは誰かにあげられるような
綺麗な花になれるだろうか。
もしも、綺麗な花だったら
君にも一つあげたいな。
儚い一瞬の美しい世界 [mind]
世界は一瞬一瞬の
儚さを秘めた美しいものばかりで出来ていた。
心地良いひとときの空白。
刹那的な自分の居場所。
悦びや、幸せや、優しさは
ほんの一瞬の流れ星みたいで
大事に、大事に、抱えてもすぐに消えてしまう。
涙を零す暇もない苦しみの中で
汚い世界の一瞬の扉から
美しい世界が見えた時
僕は永遠を捨てて、その一瞬を掴まえた。
約束された夜の終わりと朝のはじまり
その狭間にある空間のひととき。
泣いているみたいに降る雨の
一粒に映る世界の断片。
悲しみにさらわれていく中で
消えていく悦びの一瞬。
世界は一瞬一瞬の
儚さを秘めた美しいものばかりで出来ていた。
僕は永遠を捨てて、そんな一瞬を掴まえた。
優しい時 [mind]
悲しみとか憎しみとか
もうここにはないよ。
とても優しい時が、この場所を包んでいる。
ずっと探していた風景に
出会えたような気がした。
嘘で固めた言葉だって
真実になれるでしょう?
いつも迷いの中で人間は生きている。
涙を浮かべて眠っていた夜は
今も続いていて
もう明日なんて、来ないかもしれないけど
それでもここは、どこか優しいよ。
空白だらけの愛の言葉なんて
誰かに伝えられない。
いつでも後悔ばかり。
そんな毎日。
自分の色を見つけたね。
カッコ悪い色だけど仕方がない。
矛盾だらけで臆病な気持ちも
今は許せる。
自殺することとか
生きていく意味とか
もうここにはないよ。
とても優しい時が、この場所を包んでいる。
目を閉じたら、違う世界へ行けそうだね。
静寂な音楽 [mind]
排他的な想いの中で
あらゆる情報から目を背ける。
真夜中の静寂は
世界の音を聴かせてくれる。
微かな風に混じって
誰かの吐息が聞こえそう。
いつでも時計の針は、単調でつまらない。
なんだか落ち着かないね。
メトロノームな時間の流れは
永遠ではない長い時を感じさせる。
まぶたの上の辺りが痛んでくる。
夢でも見ているみたい。
ここは間違いなく世界の内側に在るなんて
不思議な錯覚に迷い込んでしまったね。
存在する世界の音に耳を澄ましたら
少し遠くの方まで聞こえてきたよ。
月の鼓動と雲のざわめきが
些細にぶつかり合っている。
動き続ける地球上で
時代の流れが何かを奏でている。
繰り返し時計に目を向ける。
なんだか落ち着かない。
排他的な想いの中で
真夜中の静寂は
確かに音楽に聞こえていた。